絶滅危惧種の巣作り魚「ハリヨ」大阪の川で発見 密漁横行か

産経ニュースの転載です。



滋賀、岐阜両県のみに生息し、国の絶滅危惧(きぐ)種に指定されている淡水魚「ハリヨ」の稚魚が、大阪府岸和田市内の川で見つかったことが、同市の「きしわだ自然資料館」の調査で分かった。両県では条例で捕獲が禁止されているが、稚魚は体の特徴から滋賀県で密漁した個体を繁殖させ、放流した可能性がある。専門家は「密漁が横行すれば絶滅の危険性が高まる」と警戒している。

 自然資料館が市民団体とともに今年7月、岸和田市内の川で行った生物調査で発見された。資料館は今後詳細な調査をするため、河川の名を明らかにしていないが、孵化(ふか)後約2カ月の稚魚で、オス、メスは判明していない。

 約10年間、ハリヨを研究している滋賀県多賀町立博物館の金尾滋史学芸員に写真を送ったところ、体の模様などに滋賀県内のハリヨの特徴があり、交雑種でなく、純粋種であることがわかった。金尾学芸員は稚魚であるため、密漁した個体を繁殖させた可能性があるとみている。

 絶滅が危ぶまれるため、岐阜県では平成15年、滋賀県でも19年に捕獲を禁止する条例を施行。しかし、密漁は横行しているとみられ、今年4月には、滋賀県彦根市内の川で、ハリヨ約20匹を捕獲したとして、愛知県警が、滋賀県条例違反の疑いで、滋賀県内の男を逮捕している。
 多賀町立博物館の金尾学芸員は、条例施行前に、ハリヨを大量に捕獲している現場を何度も目撃しており、「監視の目をかいくぐって密漁が横行しているのではないか」と恐れる。

 ハリヨは、滋賀県内の一大生息地だった米原市地蔵川で今年5月、岐阜経済大学森誠一教授(動物生態学)らのグループによる調査で、北日本から入った淡水魚イトヨとの交雑が起こり、純粋種がほぼ絶滅したことが判明した。純粋種は滋賀県内では、ごくわずかな場所でしか確認できない状況になっている。

 森教授は「環境悪化や交雑で個体数が減っている中、密漁も加わればトリプルパンチ。純粋種の絶滅危険性にさらに拍車をかける恐れがある」と危惧している。


 【用語解説】ハリヨ

 トゲウオ科の淡水魚。日本や欧州、北米に分布し、水温が低く、流れがゆるい湧水の近くに棲む。国内では三重県で野生種がすでに絶滅し、現在は滋賀県東部と岐阜県西部のみに生息。オスが水草をつなぎ合わせて巣作りする珍しい生態で、環境省レッドデータブックで最も絶滅危険性が高い「絶滅危惧1A類」に分類。滋賀県条例は捕獲を禁止しており、違反すれば1年以下の懲役か50万円以下の罰金、また岐阜県条例に違反すれば1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられる。


http://sankei.jp.msn.com/science/science/101015/scn1010151337001-n1.htm 産経ニュースより。


大阪府内で捕獲した私に懲役や罰金はあるのか?

( 密漁オヤジまいりんのパパ)